1級建築大工技能士の課題

先日合格した技能試験の課題ですが

完成品はこちらになります(^^)/

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練習で作ったもので精度はまだあまりよろしくありませんでしたが

完成はこのようになっております。

家の屋根の部分

それの角っこですね

建築用語では隅木と呼ばれるものです

私たちが普段よく使うのは45度の棒隅木と呼ばれるものですが

課題で制作するのは、振れ隅木といわれ

右と左の屋根の勾配が違う場合、写真は6寸勾配と8寸勾配です

その隅木は45度ではなくなるうえ、隅木の山勾配も左右で違ってきます

それを5時間30分の時間内で完成させる

というのが、課題です。

大まかな試験の流れは

1.製図

振れ隅木は差し金だけでは求めることが出来ません、なので、原寸図を書きます。

その原寸図をもとに、勾配や長さ等を割り出します。

2.木ごしらえ

支給される材料は、少し大きめのサイズになっております。

それを既定のサイズまで鉋と毛びき等を使って削り落とします。

材料が均一の大きさになっているかどうか?

また、材料は断面を見てしっかり直角が出ているかどうか?

すべて手作業にて行います。

3.墨付け

材料が既定の大きさに揃えられたら、次は原寸図と課題を見ながら実際に墨付けを行っていきます。

墨付けと名前の通り、実際の墨で加工する墨を付けていきます。

色も黒色の墨と指定があり、また、出来るだけ汚さないよう。

手をこまめに拭きながら、綺麗に墨を付けないと減点となります。

4.刻み

隅を付けた材料を墨通りに、加工していく作業です

どれだけ正確に墨通りに刻めるかが難しい所です、墨が正確なのももちろん

加工も正確じゃないと組んだ時にひずみが出てしまいます。

もちろんすべて手で加工しますが、穴をあける際に電動ドリルだけの使用は認められています。

5.組み立て

最後に加工した材料を実際組み立てます

課題には指定されたところに、指定されたサイズのくぎを使用して固定するとありますので

組み立てて、釘を打ち固定します

その際、上の写真で柱は直角に建っているかどうか?

桁はしっかり90度になっているかどうか?

それぞれの材料の芯墨があっているかどうか?

また仕口同士の胴付きに隙間はないかどうか?

等を見ながら組み立てて、完成です。

ちなみに、私が挑戦したときは

本番で5時間かかりました。

最後にどのような加工になるのか、上の写真をばらしましたので

見てみてください

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こちらは配付け垂木です、墨木にほぞさしですね

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こちらは隅木のほぞです、こちらが柱に刺さります

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こちらは墨木がけたへと落ち掛かる部分です

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落ちがかる部分も勾配がついております

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こちらが桁が交わっていて、隅木がはまるところです

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こちらが桁ですね

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こちらが反対側の桁です

桁2本と隅木が交わるので、それぞれの欠損が出来るだけ少なくするように加工するのが

大工さんの腕の見せ所というわけです。

専門用語も今回はいっぱい出てきて、あれだったかもしれませんが

そちらの説明はまた、ブログにて♪

実物はまだもう一個、倉庫にありますので見てみたい方はぜひ(^^)/

ではまたー